2022.06.27
弊社のSDGsへの取り組みを特集する「織戸組×SDGs」、初回では弊社の主力事業である砕石事業での取り組みとして、ハイブリッド建設機械をご紹介しました。
砕石事業は、主に建設機械(いわゆる「重機」「建機」)を使い山の岩石を掘削して、プラントで決まったサイズに加工したものをコンクリート・アスファルトの原料や道路の路盤材などの製品として販売する事業です。
今回は、弊社の砕石工場の1つ、山梨白根工場に新しく導入された「ゴミ取りトロンメル」についてご紹介します。
「ゴミ取りトロンメル」の内部
弊社では砕石の他に、砕石をさらに細かく砕いた「砕砂」も製造しています。特に、山梨白根工場ではコンクリートの原料として「コンクリート用砕砂」を製造しています。厳しいJIS規格基準をクリアしており、コンクリート製造時の品質維持において非常に重要な役割を担うものです。
コンクリート用砕砂
その砕砂の製造工程では、砕砂に付着した不要物を分離するために洗浄を行います。洗浄の際に発生した排水には多くの微少な粒子や不純物が含まれていますが、これらを「フィルタープレス」という装置を利用して加圧・濾過することで脱水し、凝集する事で脱水ケーキと呼ばれる副産物が生成されます。
コーヒーのドリップを考えると分かりやすいのですが、この「フィルタープレス」にも“濾布”と呼ばれるコーヒーフィルターと同様の働きを行うものが装着されているものの、微少とはいえ排水中にある程度の大きさの粒子が含まれていれば、“濾布”はすぐに痛んでしまいます。
そこで、 “濾布”を痛めてしまうような大きさの粒子や不純物を排水から取り除くために、冒頭の「ゴミ取りトロンメル」が必要となるわけです。
フィルタープレス
※白く四角い布が濾布です。手前の黒く丸い濾枠で加圧して脱水します。
生成された脱水ケーキは下へ落ちて堆積します。
この「ゴミ取りトロンメル」には1.0mmの網が付いており、この大きさ以上の粒子や不純物はここで除去されますが、従来の「ゴミ取りトロンメル」は電気を使用しモーターで稼働していました。
しかし、今年5月に装着した「ゴミ取りトロンメル」には“羽根”が付いている事から水車の原理で稼働し、一切電気を使用しないで動いているそうです。
「ゴミ取りトロンメル」外観
電気を使用しないで稼働しているのですから、SDGsで掲げる17目標のうち目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」や目標13「気候変動に具体的な対策を」に当てはまり、環境負荷の軽減にも繋がっています。
また、山梨白根工場長によれば、「モーター利用時と比較しても処理能力が劣らない」「年間で電気料金が30万円ほど節約できる」との事で、作業効率面・経済面でも大変有効な取り組みと言えます。
コンクリートの原料などインフラに欠かせない製品の製造を、環境と経済の両面において持続可能な形で行っていくという点では、目標11「住み続けられるまちづくりを」にも当てはまります。
弊社ではSDGsが登場する以前から、集団献血をはじめとして社会・環境のための様々な取り組みを実施しておりましたが、今回のように新たな技術を取り入れるなど、今後も持続可能な社会の実現に資する取り組みを続けてまいります。