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織戸組×SDGs第7回~川崎市初のICT施工(前編)~

お知らせ2022.04.27

現在、織戸・追川共同企業体が施工している麻生区内都市計画道路尻手黒川線道路築造(擁壁)工事にて3月16日(水)に開催されたICT施工現場見学会に参加しました。
この工事は川崎市では初となるICT施工を実施する工事ということで、その内容とSDGsとの関わりについて前編・後編に分けてご紹介します。

前編にあたるこの記事では、ICTを活用した測量をご紹介します。
後程詳しく記載しますが、生産性や働きがいの向上、経済成長、住み続けられるまちづくりへの持続的な貢献を可能にするという点で、SDGsの17ある目標のうち目標8「働きがいも経済成長も」や目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」、目標11「住み続けられるまちづくりを」に当てはまると言えます。

さて、ICT施工とは建設生産プロセスの下記段階においてICT(情報通信技術)を全面的に活用する工事のことで、「ICT土工」や「ICT活用工事」ともいいます。

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① 3次元起工測量
② 3次元設計データ作成
③ ICT建設機械による施工
④ 3次元出来形管理等の施工管理
⑤ 3次元データの納品
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見学会では【①3次元起工測量】の、UAV(無人航空機、いわゆる“ドローン”)による3次元測量を見学しました。

今回実施されたUAV測量では、カメラを搭載したUAVを用いて上空から現場全体を連続撮影し、その写真を合成して現場の3次元点群データを作成します。
3次元点群データとは3次元座標(x, y, z)を持った点データの集合のことで、このUAV測量では同じ被写体を違う角度から複数枚撮影することで位置関係や距離を算出し、3次元座標を取得しています。

実際にUAVで現場全体の写真を撮影していた時間は10分程と短く、現場の社員によると、もし同じ広さの現場で従来通りに測量を行うと慣れている人でも2~3日はかかるとのことで、「UAV測量は手軽にできる」という声もありました。
さらに、従来の方法では1~3cmの誤差が発生しがちですが、UAV測量はミリ単位で測量ができるため精度も高いそうです。

他にも、今回UAVで撮影したデータから作成した現況の3次元点群データと【②3次元設計データ作成】の段階で3次元化された設計データを重ね合わせて比較することで、その差分から切土や盛土の量を自動で算出できるというメリットもあります。平面図などの2次元で表す設計図をもとに計算して土量を求める従来の方法よりも早く算出できます。

また、上空からUAVを使用した測量に加えて、地上からレーザースキャナを使用した測量も行っていました。
レーザースキャナは超高速で膨大な数のレーザーを射出し、対象に当たって反射して戻ってくるまでの時間から算出される距離と照射させるミラーの角度から3次元点群データの作成に必要となる3次元座標を取得するものです。

今後、建設生産プロセスが進み【④3次元出来形管理等の施工管理】の段階で行う出来形測量でも、上記のようなUAVやレーザースキャナを用いた3次元測量を行います。
出来形測量とは、工事中もしくは完成後に行う、目的物の出来上がった箇所もしくは施工が完了した部分が発注者の意図する規格基準に達しているかどうかを把握する測量です。

この出来形測量でも【①3次元起工測量】と同様に3次元測量を行い【②3次元設計データ作成】で作成した3次元設計データと重ね合わせることで、従来の方法よりも短時間で規格基準に達しているかどうかを調べることができるそうです。
現場の社員によると「従来の方法では半日~1日かかるが、この方法では【①3次元起工測量】と同様に10分で終わるのではないか」とのことです。

ICTを活用した3次元測量は効率が良く従来と比較して少ない人数・少ない日数で実施できるため生産性の向上につながり、さらには働きがいを高めることや経済成長、住み続けられるまちづくりへの持続的な貢献を可能にします。
そのような点から、SDGsの17ある目標のうち目標8「働きがいも経済成長も」や目標11「住み続けられるまちづくりを」に当てはまると言えます。
そして、新たな技術を導入して持続可能なインフラ整備を目指す点では、目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」にも当てはまると言えます。

ちなみに、見学会の会場には今回の【①3次元起工測量】や【②3次元設計データ作成】が終了した後の【③ICT建設機械による施工】の段階で使用する予定のICT油圧ショベルもありました。
来月公開予定の後編ではそのICT油圧ショベルやSDGsとの関わりについてご紹介します。ぜひ後編もご覧ください。

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